IPCLには、眼の生理機能を妨げず、かつ光学的な性能を高めるための数々の独自技術が搭載されています。
革新的なホールデザインと房水循環
眼の中には「房水(ぼうすい)」という透明な液体が循環しており、眼圧を一定に保ち、水晶体や角膜に栄養を届けています。IPCLには、この房水の流れを阻害しないよう、複数の微細な穴(ホール)が計算された位置に配置されています。
| ホール名 | 役割 |
セントラルホール Central Hole |
レンズ光学部の中心に設けられた穴。房水をレンズの前面から後面へとスムーズに流します。
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オプティカルマージンホール Optical Margin Hole |
光学部の周辺上部に設置され、光の反射や散乱を抑えつつ、房水流を確保します。
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オプティックハプティックホール Optic Haptic Hole |
レンズの支持部(ハプティック)の根元に4つ設けられており、効率的な循環をサポートします。
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これらのホール設計により、従来の手術で必要とされていた「術前虹彩切開」が不要となり、患者様の眼への侵襲が大幅に低減されました。
生体適合性の高い「ハイブリッド素材」
レンズの素材には、眼内レンズやコンタクトレンズの素材として長年の実績がある「ヘマ(HEMA:メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)」とアクリルを配合した「ハイブリッドアクリル」が使用されています。この素材は、水分を含んだ柔らかい性質を持ちながら、形状を保つ適度な弾力性(コシ)を兼ね備えています。生体適合性が非常に高く、眼内で異物反応を起こしにくいのが特徴です。また、紫外線吸収剤が含まれており、有害な紫外線から網膜などの眼の奥の組織を守る機能も備えています。
独自形状による安定性と低侵襲性
IPCLは、レンズ本体の形状にも眼への負担を最小限に抑える工夫が施されています。
| 形状 | 特徴 |
| スムースエッジデザイン |
レンズの縁(エッジ)は極めて薄く滑らかに加工されており、接触する虹彩への刺激や色素沈着(色素が落ちる現象)を防ぐ設計になっています。
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| 3つのハプティックパッド |
レンズを固定する支持部の先端には独特なパッド形状が採用されており、眼内の固定位置(毛様溝)での安定性を高めています。
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| アッパーライトノッチ |
レンズの右上には小さな切り込み(ノッチ)があり、手術中に医師がレンズの表裏や向きを瞬時に判断できるように設計されています。
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スマートトーリックシステム(乱視用モデル)
乱視用モデル(IPCL T V2.0)には、レンズの回転を抑える「スマートトーリック」システムが採用されています。
乱視矯正においては、レンズの軸がずれると矯正効果が著しく低下してしまいます。IPCLは独自の支持部形状により、眼内で水平方向に自然と安定するように設計されており、高い乱視矯正効果を持続的に発揮します。